7人の虎の子へと綴る戒め


2022年3月25日、TravisJapanがLAへと旅立った。
突然発表された渡米宣言から、凡そ3週間。
相変わらずのメディア露出、その中で何度も言及されて沢山の方に行ってらっしゃいと送り出され、あれよあれよという間にこの日を迎えた。
正直な所を言うとまだ気持ちの整理が出来ていない、というのが本音ではある。
元々前向きだったトラジャの7人は、日を追う事に更に前向きに自分達の未来の行く末を楽しみにしている様子が伺えた。いや、もしかしたら漠然と襲い来る不安に潰されないよう明るく振舞っているのかもしれない。それでもきっと彼等の中にあるのは不安と、同じ位の期待なのだろう。
それに比べて、ファンの反応は五分五分と言った所。大好きな彼等が決めた事だから、と前向きなコメントをする人もいれば、それでもやっぱり寂しさが拭えないと嘆く人も多い。

私も、その中の一人である。
彼等が決めた事だから勿論応援したい、という気持ちも大きい。行ってらっしゃい、と笑って送り出したかった。
でもそれよりも、寂しさや不安が拭えきれない。結局の所、最後の最後まで涙を飲みこんで送り出す他無かったというのが事実だ。

彼等が日本に居ないという事実。
それは私の心にぽっかりと穴を開け、空虚を感じさせるには充分であった。

ところで、私が感じている不安と言うのは恐らくTravisJapanが感じている不安とは一味違うだろう。
勿論、彼等と同じように彼等が異国の地で無事に生活していけるだろうかとか、結果を残していけるのだろうかとか、元気に過ごしていけるだろうかとか、そういった不安もある。
しかし、それとは別にファンとしての感情の中で何よりも恐れている事がある。
―――彼等への気持ちが薄れてしまうのではないか。
それが何よりも一番怖い。

時は少し遡るが、私は昨年の5月に『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』というオーディション番組にどハマりした経歴がある。
国民プロデューサーと呼ばれるファンの投票数で、上位11人がデビュー出来るという韓国なんかでは割とメジャーなオーディション形式の番組だ。
友達にとあるバズり動画(🔎花束の代わりにメロディーを 日プで検索)を見させて貰ってから、アイドルの原石とも呼べる人を見つけた。
私がハマっていた期間はたったの1ヶ月半程度だったが、それでも私は推しをデビューさせたくて必死だった。沢山の人を巻き込んで投票をお願いして、毎週木曜日の放送を固唾を飲んで見守った。
しかし、私の推しは結局デビューを掴む事は出来なかった。
その間メディア露出は一切なく、彼の生存確認が取れたのはInstagramのストーリーの投稿のみ。
ようやく彼がデビューを掴み取ったのは約5ヶ月後の11月だった。所謂派生グループとしてのデビューである。
勿論デビューが決まった時は嬉しかったし、涙を流して喜んだ。でも、結局彼等のグループを推せる程の熱量と言うのは、もう既に失われつつあったのも事実である。勿論、彼の露出の少なさだけが熱量を失う原因だった訳ではない。ただ結果的に残ったのは、所謂"茶の間"として彼のいるグループを見守るという選択肢だった。

今までに挙げた事のある通り、私は色々なジャンルでオタクとして生活をしてきた。つまり、数々のジャンルに推しを作ってきた流動的なオタクである。
勿論、今まで応援してきた推しに対してマイナスな感情を持って応援を辞めた訳ではない。不変的に私の中で特別な推しも少なからずいる。それでも、自分の中の所謂全盛期、一番熱量を伴って応援していた時に比べれば落ち着いているのも事実で。

それ故に、不安なのだ。彼等が帰ってきた時にTravisJapanというグループを今と同じ熱量で応援出来るかどうかが。とても恥ずかしい事でもあるが、熱しやすく冷めやすいタイプのオタクであるので、ここを今どうこう治そうと思っても無理な話なのである。

今は寂しくて当たり前。寂しいと声に出してもいい、と言う。
寂しい。凄く寂しい。同じ空の下にいても会えない事が。いつ会えるかも分からない事が。

自分達が居ない間は他に目移りしてもいい。だけど、自分達の事を忘れないで、と言う。
忘れるはずがない。楽しいも辛いも悲しいも嬉しいも共有してきた彼等の事を。だけど目移りした後、彼等に戻れる自信のない自分が、やるせない。

私の中でTravisJapanというグループは、いい歳になって出会った最高のアイドル達だ。愛おしい、出来るならばずっと応援していたい、と思えるグループである。
最強のダンススキルを持って、最高のパフォーマンスを届けてくれて、私に生きる元気をくれる、言わば心の栄養剤である。
残酷さすらエンターテインメントだ、と言える程出来たエンターテイナーを、私は宮近海斗というアイドルしか知らない。
その残酷さがまた彼等を襲わぬよう、私は遠く日本の地から願う事しか出来ない事が、またやるせない。

とあるファンの方がこんな言葉を残してくれた。


私はこの言葉に少しだけ救われた。どのメディアを取ってもTravisJapanが最後のように扱われている事が、私は寂しくてならなかった。
彼等の決断は決して終わりなんかではない。新たな一歩を踏み出す為の決断なはずだ。

彼等の最初のオリジナル曲『夢のHollywood』の二番冒頭の歌詞にこんな一節がある。

過ぎた一幕は積み上げるExperience
俺達の二幕 Life is Musical

彼等は日本での活動で沢山の経験を積み、二幕の幕を最高の形で開ける為に渡米した。その一つが彼等の言う『デビュー』という形でもあるのかもしれない。

日本を経つ直前、最後のYouTube生配信で彼等がダンスで私達ファンに向けて届けた一曲。
嵐の『サクラ咲ケ
彼等の磨かれたダンスと、今の彼等にシンクロする歌詞に涙が溢れた。こんなにダンスが上手いのにそれでも尚、彼等は上を目指している。そして、その為に日本のメディアと応援してくれているファンと、一時の離別を選んだ。それでも彼等は別れじゃないと言ってくれた。そんな彼等の決断を、いつか笑って後押し出来るようになれば、と願う。

未来なんてさ すぐに変わる
変えてみせる

沢山の可能性を秘めた彼等が歩む未来が明るいものである事を願わずには居られない、そんな一曲だった。

彼等がLAに降り立った今日、日本は3月26日。
一粒万倍日、天赦日、寅の日が重なった最強開運日である。
まるでTravisJapanの為の日なのではと錯覚させられる位の良き日に、始まりを告げた7人の虎達の武者修行の旅が無事に成功し、今より大きくなって帰ってきてくれる事を祈るばかりである。
そして、そんな7人をずっとずっと遠くの地から応援する私の気持ちが、彼等に向き続けるよう戒めを込めて私はこのブログを綴る。

巡り会いたい 必ず

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いってらっしゃい!実りある旅を!